こんにちは!
メディレトライターのふみこです。
文章を書いていると、「これで伝わるかな?」「もっと良い表現があったのでは?」と立ち止まる瞬間があります。
実際、うまい文章に触れると「あ、こういう言い回しがあった」「さっきの表現、もっと端的にできたな」と反省することもしばしば。
気を抜くと、自分の言葉のクセに頼って「伝わればいい」という書き方をしてしまいがちです。
でも、文章の「伝わり方」には スピード と 純度 があります。
伝わった
すぐ伝わった
この2つには大きな差があり、「すぐ伝わる言葉」を選べるかどうかで、読者の理解度や離脱率が変わってくるでしょう。
この記事では、私が生活の中で気になった「数字」を使った表現をご紹介しながら、「よりパッと理解できる・伝わりやすい表現」について考えていきたいと思います。みなさんも一緒に数字のマジックを覗いてみませんか?
数字を使うだけで説得力は跳ね上がる
数字は「イメージのピントを一気に合わせる効果」があります。
まずは、数字を使った表現の違いを見てみましょう。
■具体的な数字で理解が早まる例
△ ヒトの体には、水分が大切です。
〇 ヒトは一生のうちに約60トンの水を飲みます。
「60トン」という具体数が入るだけで、「ええ!そんなに多いの!?」と思います。
ただ単に「大切です」と言われるよりも、具体的な数字を出した方が説得力が上がることがわかります。
■関係性がより明確になる例
△ あまり仲良くない人
〇 2回くらいしか会ったことがない人
「仲が良い」、「仲が良くない」は人によって感覚が違い、とても抽象的な言葉。
ただ、「2回」という数字が提示されるだけで、他人行儀な雰囲気や、親交が深まっていない状態が読み取れますよね。
■数字によって大きく見せられる例
△ ビタミンC、1g配合
〇 ビタミンC、1000mg配合
正確にわかりやすく伝えたいだけなら1gで良いはず。
その方が短くてわかりやすいですが、それを1000という数字を使うことで、とても多く配合されているように見せています。
同じ量でも、「1000mg」のほうがインパクトがありますよね。
スーパーなどの何かを販売する場所では、数字のマジックはよく使われる手法。
たとえば「100円のパン」ではなく、「98円のパン」にすることで、2円しか変わらなくても、「安い!」と思わせようとしています。
「どのように見せたいか」によって数字の使い方を考えていきたいですね。
あえて「数字を使わない」ほうが伝わることもある
数字は強力ですが、「とにかく使えば良い」わけではありません。
時には、数字より「象徴的なワード」が勝つこともあります。
■頻度を表す例
△ この2ヶ月、子どもと1日2回はライオン・キングを観ています。
〇 この2カ月、子どもと人生最高のペースでライオン・キングを観ています。
「1日2回」のほうがはっきりとした事実です。
ただ「人生最高のペース」と言った方が、子どもに付き合ってずっと見させられている雰囲気や、滑稽さも同時に伝わるように思います。
書きたい文章の雰囲気や読者層、文体に応じて、こういった表現を使い分けるのも大事だなと感じました。
■時代を表す例
△ 今から1800年前の
〇 卑弥呼の時代の
「1800年前」ではイメージがぼやけますが、「卑弥呼」と言われた瞬間に、一気に頭の中が過去へさかのぼって、歴史の教科書を思い出した人も多いはず。
数字としては正しいのに、読み手の頭に具体的に浮かぶのは「卑弥呼」という、わかりやすいアイコンの方なんですよね。こうしたケースでは数字を使わないほうが、圧倒的に伝わりやすくなります。
■衣類の着心地を示す例
△ カシミヤ100%です。
〇 首元がチクチクしません。
作った企業側としては、「100%もカシミヤを使っている」点を推したい気持ちはもちろんあるでしょう。
カシミヤ100%は正確な情報ですが、しかし買う側の消費者が真っ先に知りたいのは「着てみてどうなの? 」という体感。
体験ベースの表現にするだけで、読み手の理解度が一気に上がり、商品との距離が縮まりやすいということがわかります。
まとめ
数字はただのデータではなく、読む人のイメージを一瞬で形づくる「ショートカット」のようなもの。
その一方で、数字を使わないほうが伝わるケースもあります。
理解しやすい文章を作るポイントは、この「伝わるスピード」を上げる表現を選べるかどうか。
私も日々、伝わる表現を追求していきたいと思います。


コメント