比喩があるだけでこんなに違う!文章の温度

こんにちは!
デジレトライターのふみこです。

今年の1本目として、40代主婦が、はじめて国民的アイドルのライブに行くとどうなるのか。という記事を書きました。
こちらは私が実際ライブに行ったときの様子を、体験エッセイのように書いたものでしたが、実はこの文章を書くときに意識していたことがあります。

それは、私が見てきたものを、読者の方になるべく同じ温度で追体験していただくために、「比喩表現をたくさん使って文章を書く」ということです。
比喩表現とは、簡単に言うと「伝えたい感覚を、別のわかりやすいものに置き換えて伝える方法」。
「自分が伝えたい情報や感情を、読者の脳内に再生させやすくする言葉」とも言えるでしょう。

小説などの文学的な作品では、特に比喩が使われていることが多いですよね。
読んでいると、ストーリー自体よりも、その作家にしか出せない秀逸な比喩に感動することも多々あります。

私も比喩表現を上達させようと、文中で意識的に使っているので、少しご紹介してみたいと思います。

目次

比喩表現を意識して入れた文章

私が書いた文章の中で比喩表現を抜粋すると、主に以下のようなものが挙げられます。

【地下鉄を降りてから会場まで】

地上に出るとたくさんの女性が向かう波のような流れがある。
地上に出ると、視界を占領する大きなドーム、近未来的な、非日常な世界がぐわっと広がる。
女性たちの波は、引き寄せられるように、その半球体へ吸い込まれていく。

【ライブが始まる直前の会場の様子】

ペンライトを付けはじめている人がチラホラいて、暗闇にボヤッと浮かび上がる赤や青の灯りは、ここにしかない幻想さを作り出していた。
女の子が、好きな人に告白するために、校舎の裏で彼を待っている。
そんな、神聖で張り詰めた空気がドーム内をピリッとさせていて、わたしの気持ちを加速させた。

【推しが見てくれた瞬間】

ヒトって、本当に驚いたときは声が反射的に出るんですね。
まるで幽霊でも見たかのように。
もう叫ぶでもしないと、この胸で受け止めきれないので、なんとか叫んで逃がしてる感じです。
普段出ないホルモンがドバドバ出るのがわかりました。溶けて無くなりそうです。

上記の文章を読んでいただいたとき、実際の現場の様子、私の興奮度合いをイメージしてもらえたでしょうか?
この文章、比喩表現を全て抜いてみるとどういう感じになるのか、やってみました。

比喩表現を抜いてみた文章

【地下鉄を降りてから会場まで】

地下鉄を降りて地上に出ると、同じ目的地に向かって歩いている女性が多く見えました。
人の流れに沿って進むと、正面に大きなドームがあります。
会場周辺には多くの来場者が集まっており、そのままドームの入口方向へ向かいました。

【ライブが始まる直前の会場の様子】

会場内は照明が落とされており、客席ではペンライトを点灯させる人が少しずつ増えていました。
赤や青などのライトが客席の各所で見え、開演を待つ雰囲気があります。
観客はそれぞれ席に座り、ステージの方向を見ながら開演時間を待っていました。

【推しがこちらを見てくれた瞬間】

ステージ上の推しがこちらの方向を向いたとき、思わず声が出ました。
一瞬の出来事で、驚きが大きかったため反射的に反応したようです。
体の緊張が高まり、心拍数が上がっているのを感じました。

こうして比喩を抜くと、何が起きているかを、かなり事実ベースで淡々と読んでいくことになります。
感情移入しづらく、躍動感や興奮を味わうのが難しいでしょう。
このように「比喩表現があるバージョン」と「ないバージョン」を並べてみると、比喩の役割が浮き彫りになります。

ただ、比喩表現については、どんな文中でも使えばいいというものでもなく、説明文や、ハウツー系のブログ記事では出てくる頻度は少なく、使うべきでない場合も多いと思います。

私としては、特にエッセイなど「読者に追体験してほしいとき」に意識的に比喩を多めにしています。
その文章で伝えたい目的やペルソナ、求められる文体を考えたうえで効果的に使うことで、ぐっと伝わりやすくなったり、好印象を持たれる文章になると実感しています。

だからこそ、状況に応じてうまく使い分けることが大切ですね。
これからも、読者に同じ景色や感情を追体験してもらえるような比喩表現を考えていきたいと思います。

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