対策キーワード拡張で記事設計に差をつけろ!SEOツールのリアルな使い分け方【KWD選定初級編】

対策キーワード拡張で記事設計に差をつけろ!SEOツールのリアルな使い分け方【KWD選定初級編】

私は元バキバキの脳筋SEOディレクター!

キーワード密度?計算しまくり。見出し構造?ガチガチに最適化。「SEOルールに従えば勝てる」って本気で信じていました。

でもAI時代になって気づいちゃったんです。そんな記事、ChatGPTでも書けるじゃんー!

今の時代、SEO記事にも「面白い!」「読みごたえある!」「生々しい!」がないと、人間がわざわざ書く意味がない。

だからこそ、コンテンツのすべてをガチガチなSEOで固めてしまうのは、もう時代遅れ。

それでも、キーワード選定だけは例外です。

ここはSEOの土台であり、徹底的にやり込むべき工程だと考えています。そして、その最初の入口になるのが「キーワード拡張」。

今回は、記事制作やコンテンツディレクションに関わる方、SEOツールは使っているけど効率的な拡張フローが定まっていない方に向けたキーワード選定の初級編として、SEO歴6年、元脳筋SEOディレクターの私が実際の現場でどうツールを使ってキーワードを広げているのかをまとめました。

広げすぎない工夫や、ディレクションの立場だからこそ気づくポイントも交えながら、ツールを使った拡張のリアルをお伝えします。

目次

そもそもどうやってキーワードを選ぶのか(拡張前)

そもそもどうやってキーワードを選ぶのか(拡張前)

キーワード拡張に入る前に、まずは「何を基点にキーワードを考えるのか」を押さえておく必要があります。

SEO対策をしたい商品やサービスがあるなら、最初はその特徴やカテゴリを表すシンプルな言葉から出発するのが基本です。

例えば、ランニングシューズを販売している場合。出発点になるのは当然「ランニングシューズ」です。

そこからさらに、「スポーツシューズ」「マラソン用シューズ」「ジョギングシューズ」といったカテゴリや用途に応じた言葉が自然に広がっていきます。

しかし、ユーザーが実際に検索しているのは、商品名そのものだけではありません。

多くの場合、その裏にある「目的」や「悩み」に根ざした言葉が検索クエリになります。

たとえば──

  • 「速く走る方法」
  • 「フルマラソン 完走」
  • 「ランニング ダイエット 効果」

こうした検索意図の先には「自分に合ったシューズが欲しい」というニーズが隠れています。

つまり、基点キーワードを起点にしつつ、“その商品やサービスが解決できる目的”にまで視点を広げることが大切なのです。

これはランニングシューズに限った話ではありません。

例えばオンライン英会話なら、「オンライン英会話」という基点ワードから、「英語 勉強」「海外旅行 英語」「外資系転職」など、ユーザーの目的に直結するキーワードが派生していきます。

ここで大事なのは、いきなりツールに頼らないこと。

まずは人間の頭で“ユーザーの気持ち”を想像して言葉を出すことが、後のツールでの拡張を有効に活かすための前提になります。

なぜSEOツールでのキーワード拡張が必要なのか

なぜSEOツールでのキーワード拡張が必要なのか

キーワードの基点を自分の頭で出すことは大事です。けれど、それだけでは到底足りません。

なぜなら、人間が思いつく言葉には限界があるからです。

SEOの実務で大切なのは、抜け漏れのない状態からスタートすること。

もし最初の段階で検索されているキーワードを拾いきれていなければ、その後の記事設計やコンテンツ企画も狭い視野で進んでしまいます。

つまり、キーワード拡張は「網羅的に候補を集めるための技術的ステップ」だと言えます。

ツールを使う最大のメリットは、自分の頭では想像しきれない検索ニーズを拾えることです。

たとえばランニングシューズなら、「マラソン」「ジョギング」といった思いつきのワードに加えて、ツールを通せば「陸上シューズ 中学生」「ランニング 腰痛 対策」「ランニング 初心者」といった、実際の検索ユーザーの具体的なクエリが浮かび上がります。

このようにツールを使うことで、「思いつきの範囲」から「実際に検索されている世界」へジャンプできる

拡張は単なる効率化ではなく、戦略的に欠かせないステップなのです。


実際に使うSEOツールと使い分け

キーワード拡張は「どのツールをどう使うか」で拾える候補の幅が大きく変わります。

重要なのは、ツールごとの得意領域を理解して、往復しながら組み合わせること

月間検索数や競合の強さにもよりますが、私の場合は、この拡張作業に大体1〜2時間はかけています。

精査や絞り込みはまた別の工程として、じっくり時間をかける価値のある作業です。

ここでは、私が現場で実際にやっている流れを紹介します。

ラッコキーワード:サジェスト+関連ワード+共起語で“発散”する

ラッコキーワード:サジェスト+関連ワード+共起語で“発散”する
出典:ラッコキーワード

ラッコキーワードは、キーワード拡張の入口として必ず使う定番ツールです。

ただしポイントは、「サジェスト」「関連ワード」「共起語」を区別して見ること。同じ候補ワードでも、出どころや意味合いが違います。

種類定義特徴・用途
サジェスト検索窓にキーワードを入力したときに自動補完される候補。実際の検索履歴や人気の検索パターンがベース。ユーザーが“よく打ち込んでいる生のクエリ”を直接反映。検索意図の一次情報を拾うフェーズで必須。「ランニングシューズ 初心者」「ランニングシューズ 人気」
関連ワードGoogle検索結果の下部に出る「関連検索」や、併せて調べられやすい近接ワードを収集。サジェストより広い文脈。性能・ブランド・用途など、周辺属性を把握できる。「ランニングシューズ 厚底」「ランニングシューズ 軽量」「ランニングシューズ クッション」
共起語検索上位20ページに出現する単語を抽出し、出現頻度が高いものをリスト化。上位コンテンツが必ず触れている要素を把握できる。抜け漏れチェックや網羅性担保に有効。「フィット感」「衝撃吸収」「アスファルト」「ナイキ」

サジェストは「ユーザーが検索窓で打ち込んでいる言葉」、関連ワードは「その検索と一緒に見られやすい周辺情報」、共起語は「上位コンテンツに共通して含まれる要素」。

この3つを押さえておくと、検索意図とコンテンツ要件を両面から把握できます。

私はここで出たワードをまずシートに全部放り込み、その後の工程で精査します。

Ahrefs × ラッコ:競合クエリと検索ボリュームで“現実”を見る

Ahrefs × ラッコ:競合クエリと検索ボリュームで“現実”を見る
出典:Ahrefs

ラッコで広げたワードは、まだ粒が粗い状態です。そこで次に使うのがAhrefs。

私がよくやるのは、競合サイトのURLを叩いて どんなクエリで流入しているか、何位を取っているか を確認すること。

ここで見つけた流入クエリをラッコで叩き直すと、その周辺サジェストを拾える。

逆に、ラッコで拾ったサジェストから新しい競合を見つけ、Ahrefsで流入状況を調べることもあります。

この往復フローが拡張を立体化してくれるポイントです。

さらに、Ahrefsでは月間検索数を必ず確認します。

ここで「候補に出てきたけど実際はほとんど検索されていない」ワードや、「ボリュームが大きすぎて記事単体では戦えない」ワードが判別できます。

検索数にCTRやCVRを掛け算すれば、「どれくらいPVが取れそうか」「どのくらいCVが期待できるか」までざっくり試算できる。

つまりAhrefsは、拡張した候補を“現実の数字”に落とし込むための道具なんです。

Googleサジェスト / PAA:ユーザーの“検索行動”を拾う

Googleサジェスト / PAA:ユーザーの“検索行動”を拾う

サジェストとPAAも必ずチェックします。

  • Googleサジェスト:検索窓に入力したときに自動表示される候補。よく一緒に検索されるワードがわかる。
  • PAA(People Also Ask):検索結果に出る「他の人はこちらも質問しています」ボックス。関連してよく調べられる質問をGoogleがまとめたもの。

例えば「ランニングシューズ」と検索すると、PAAには「ランニングシューズとジョギングシューズの違いは?」「ランニングシューズは何キロ走ったら買い替える?」といった具体的な質問が出てきます。

これはラッコやAhrefsでは出てこない、ユーザーが実際に知りたいことです。

私はここを「ユーザーの頭の中を覗く」作業だと考えています。

サジェストやPAAを見ると、商品ワードの背後にある具体的な疑問や生活文脈が見えてくるので、記事構成に直結します。

実際の検索結果を必ず確認するのもマスト!

ツールで候補を集めても、最後は必ず実際の検索結果ページを目視確認します。

  • 上位がサービスページやECばかりなら、記事SEOで戦うのは難しい
  • 強力なドメインが独占していれば、リソースを投下する価値は薄い
  • 逆に記事メディアが並んでいれば、勝ち筋がある

こうした判断は、検索結果を直接見て初めて気づけるものです。

ツールで拾うだけではなく、SERPsを俯瞰して「本当に勝てるか」を判断することが欠かせません。

それぞれの役割を掛け合わせる

  • ラッコ=サジェスト+関連ワード+共起語で発散
  • Ahrefs=競合と検索ボリュームで現実を見る
  • サジェスト/PAA=ユーザーの疑問を拾う
  • 検索結果の目視=戦えるかどうかを最終確認

この流れを踏むことで、抜け漏れが少なく、実際の検索意図に即したキーワード拡張が可能になります。

キーワード拡張の落とし穴

ツールを使えば、キーワードはいくらでも広げられます。

けれど、そのまま全部を抱え込んでしまうと、記事が散らかり「誰に向けて書いているのか」「どんな目的で書いているのか」が見えなくなる。

これが拡張の典型的な落とし穴です。

私が意識しているのは、「広げる」と「削る」をセットで考えること。まずはラッコやAhrefsで候補を拾い切る。その後で、

  • テーマに直結しないものは外す
  • 検索結果を実際に見て、記事で戦えるか判断する(上位がサービスページやECばかりなら外す、競合のドメインが強すぎれば狙わない)

この二重のフィルタをかけています。

もうひとつの落とし穴は、ツールに振り回されること

検索ボリュームや競合データは便利ですが、それだけで選ぶと“作業SEO”に寄りがちです。

数字はあくまで補助線であり、最終的には「ユーザーが何を知りたいのか」「なにをCVとしているのか」を軸にして取捨選択することが欠かせません。

まとめ

キーワード拡張は、記事づくりの最初の要になる工程です。

脳筋時代の私は「検索数の多いワードから順番に攻めろ」って単純に考えてましたが、今は違います。

ラッコキーワードでサジェスト・関連ワード・共起語を押さえて候補を広げ、Ahrefsで競合の流入クエリや検索ボリュームを確認して現実的に戦えるかを判断する。

Googleサジェスト/PAAでユーザーの具体的な疑問を拾い、最後は検索結果を目視して本当に勝負できるかを確かめる。

この流れを踏めば、抜け漏れが少なく、検索意図に沿ったキーワードリストを作ることができます。

大事なのは「広げる」と「削る」を繰り返しながら、ユーザーが本当に求めている情報に近づけること。

この1-2時間の拡張作業で手を抜くと、後の記事設計で必ず綻びが出ます。

AI時代だからこそ、人間らしい記事を書くための土台として、キーワード拡張だけは妥協できないんです。

拡張の手法は分かったけど「で、結局どれを選ぶの?」って疑問が残りますよね。次回の中編では、実際にキーワードを選定してみる実演編をお届けします。

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