なぜ人は『自分探し』をしたがるのか?(自分は最初から迷子説)

悩んでいる自分へ

生きていると、「私、どこ行った?」と聞きたくなる瞬間がある。

ちゃんとここにいるし、呼吸だってしている。それなのに、どうにも自分がつかめなくなる。

あの頃はもっとはっきりしていたはずの「私」が、急にぼやけてしまう日ってありますよね。

今回はそんな自分探しをしたくなる理由を深掘りしてみました。

目次

1章:自分は一人なのに、一人じゃないんです

人はみんな、「たくさんの私」を抱えて生きています。

会社では、頼られたいから少し背伸びをしている私
仲のいい友達の前では、素直に弱音を吐ける私
家では、気が抜けてちょっとだらしない私

SNSにアップするときは、幸せそうな自分を演じていることもあります。

どれも嘘ではなく、どれも本物です。

ただ、シーンによって前に出る私が入れ替わっているだけなんです。

状況に合わせて変わるのは、生きるための自然な知恵です。(要領が良いともいう)

でも、たくさんの私が増えていくほど、「いったい私はどれ?」と迷ってしまう瞬間が増えていきます。

周りが期待する私と、本当は少し違う私。その間で揺れる気持ちは、決して特別なことではありません。

むしろ、いろんな私がいるということは、それだけ誰かを思い、状況を察し、丁寧に生きてきた証拠なんです。

だから迷ってしまう自分を、「優柔不断」や「芯がない」と責めなくてOK。

揺れながら生きているからこそ、人は優しくなれるのだと思います。

2章:出先で見つかる私

知らない場所に行くと、自分の知らなかった一面が、ひょこっと顔を出すことがあります。

道に迷って焦る私
小さな挑戦にわくわくしている私
ちょっとした失敗に落ち込む私
見知らぬ誰かに優しくできる私

遠くへ旅をしなくても、新しい環境や初めての選択に向き合うだけで、「こんな自分もいたんだ」と気づくことがあるんです。

それは、まるで自分の中に隠れていた引き出しをひとつずつ開けていくような感覚です。
楽しいときだけとは限りません。不安や緊張だって、大事な手がかりです。

ドキドキして足がすくむのは、「私は傷つきたくないんだ」と知るヒントになります。
胸がぎゅっとするのは、「私は大事にしたいものがあるんだ」と教えてくれます。

人との出会いも同じです。初めて出会う誰かは、鏡のように私を映します。
その人と話す自分が、どんな顔をしているか。どんな声で笑っているか。

それを知るだけでも、ひとつ、新しい私を見つけたことになるんです。

3章:探すより育てるほうが本当は近道なんです

自分はどこかに隠れている宝物じゃないんです。
たったひとつの正解があって、それを掘り当てる旅でもありません。

自分という存在は、毎日、少しずつ形を変えながら育っていくもの。
好きなことが増えたら、それだけでひとつ自分が育ちます。

大切にしたい人ができたら、心の中にあたらしい場所が生まれます。
失敗して落ち込んだ日にも、次の一歩をそっと支える力が育っています。

自分探しは、「まだ持っていない何か」を追いかける旅ではなく、もうすでに持っている種を少しずつ育てていく時間なのだと私は思います。

知らない植物を育てるとき、どんな花が咲くかは、すぐにはわかりません。

でも、水をあげて、陽にあてて、気づいたら芽がのびていることがあります。

自分も同じです。焦らなくても、ちゃんと育っています。
探しに行くより、育つのを待ちながら毎日を丁寧に生きる。

それが、いちばん自然な自分探しなんです。

4章:迷子でもいい。迷子だから進めることもある

私たちはよく、「自分らしさはしっかり持つものだ」と言われます。
でも、自分らしさってそんなに簡単に定義できるものではありません。

毎日の気持ち、出会い、環境、選んだ道。
そうしたものが少しずつ積み重なって、気づけば「これが私なんだ」と思える形ができあがっていきます。

でも迷っていると、つい不安になりますよね。
前に進めていない気がしたり、周りと比べて焦ったり。

でも、迷いながら進むということは、ちゃんと自分の足で道を選んでいるということです。
迷うことを恥ずかしがらなくて大丈夫です。

迷いは、あなたの未来がまだ決まっていない証。これから伸びていく可能性がたくさん残っている証です。

自分探しは、何かを見つけたらゴールではありません。
歩き続けるたびに、自分の形は変わっていきます。

今日のあなたは、昨日のあなたとは少し違う。明日のあなたは、今日より少しだけ強い。
そうやって育っていく今の自分こそが、本物なんです。

迷っている今のあなたが、ちゃんとあなた。迷子であることは、そのまま生きている証拠なんです。

【まとめ】迷っている今のあなたが、ちゃんとあなたです

自分は、どこか遠くに隠れているわけではありません。
日々の選択や気持ちの揺れ、その一つひとつの中にいます。

うまくいかない日も、過去に戻りたくなる日も、全部があなたを形づくっています。
迷っているということは、まだ描ける未来があるということです。

旅行に行っても自分探しが完結しないのは、結局のところ探していた「自分」はいつも今の自分の中にいるから。

でも迷っているからこそ出会える人がいます。
迷うことでしか育たない心があります。

完璧じゃない今の自分を、少しだけ肯定してみてください。
歩き続けている限り、その足跡全部が「自分探しの記録」になっていきます。
迷子であることは、そのまま生きている証拠なんです。

あなたの道は、今日もちゃんと前へ続いています。

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