朝5時までゲームしていた主婦は、いったん人間に戻りました
私はつい最近まで、朝5時までゲームをしていました。
主婦です。子どももいます。言い訳はありません。
夜に家事と育児を終え、
「少しだけ」のつもりでゲームを始め、
気づけば外が明るい。
これを4年間、わりと真面目に続けていました。
もちろん、生活は終わっていました。
睡眠不足、慢性的な疲労、
それでも「今日もランクを上げなければ」という謎の使命感。
今思えば、完全に廃人です。
そんな私ですが、ある日ふと限界が来ました。
体力です。
気力ではありません。体力です。
「もう無理だな」
そう思い、私はゲームを引退しました。
華々しい引退試合などはありません。
ただ静かに電源を落とし、朝5時に寝ない生活へ戻っただけです。
するとどうでしょう。
・ちゃんと寝られる
・朝が来る
・体調がいい
私は、いったん人間に戻りました。
ただし――
問題が一つ残っていました。
時間と、
行き場を失った情熱です。
廃人を引退したら、時間と情熱が余りました
ゲームをやめて最初に感じたのは、
時間がありすぎるという恐怖でした。
夜が長い。
とにかく長い。
ランクもなければ、反省会もない。
誰とも話さない。
誰にも「次いこう」と言われない。
健康的。
とても健康的。
……でも、心が落ち着かない。
4年間、何かに全力でハマり続けてきた反動でしょうか。
情熱の行き場がなくなった私は、完全に手持ち無沙汰。
これはまずい。
また何かにハマる気がする。
「健全な趣味を」と思った結果、目の保養に手を出しました
さすがに反省はしていました。
・もう朝5時は無理
・体力は回復させたい
・家でできることがいい
そこで思いついたのが、目の保養です。
聞こえはいい。
実にいい。
目で見るだけ。
疲れない。
健全。
これはもう、リハビリに最適では?
そうして私は、軽い気持ちで動画を開きました。
本当に軽い気持ちでした。
その目の保養、K-POPアイドルでした

はい。
目の保養の正体は、K-POPアイドルです。
ここで一応、言い訳をさせてください。
・歌もダンスもすごい
・努力の塊
・芸術作品
つまりこれは、鑑賞。
推し活ではありません。
まだです。
最初は本当に、
「顔がいいな〜」
「スタイルすごいな〜」
「歌うまいな~。耳も喜んでるんじゃない?」
それだけでした。
「見るだけ」のはずが、気づいたら推し活でした
異変は、静かに起きました。
気づいたら、
・メンバーの名前を覚えている
・担当カラーが分かる
・用語を自然に使っている
おかしい。
さらに、
・スマホのおすすめ欄が推しだらけ
・待ち受けが推し
・家事中のBGMがK-POP
・推し専用のSNSを作ってる
これはもう、
見るだけではありません。
完全に、推し活です。
自分に言い聞かせました。
「でも夜更かししてないし」
「健康だし」
「ゲームよりマシだし」
「家事も育児も前よりちゃんとできてるし!」
この時点では、
まだ事の重大さに気づいていませんでした。
生活は健康に、家計は不健康になりました
推し活を始めてから、私の生活は確実に改善しました。
・朝5時まで起きない
・ちゃんと寝る
・体調がいい
健康的な生活リズムのおかげでご飯もおいしいし、仕事もはかどる!!
完璧です。
人として正しい。
——ただし。
お金の減り方がおかしい。
何もしていないのに減る。
いや、正確には何もしていない“つもり”なのに減る。
「目の保養って、こんなに課金要素あったっけ?」
そう思いながら、私は今日もカード明細をそっと閉じます。
引きこもり主婦、全国を飛び回り韓国へ
ゲーム廃人時代の私は、ほぼ引きこもりでした。
移動距離は、冷蔵庫とトイレの往復。
仕事と食材の買い物以外は一切外出もしませんでした。
それが今ではどうでしょう。
・新幹線
・飛行機
・全国各地の会場
「次どこ?」
「◯◯県」
即答です。
さらには、
「本国コン(韓国でのコンサートのこと)楽しいよ!」
この一言で、
勢いだけでパスポートを取得。
気づいたら私は、
推しの母国・韓国に立っていました。
(ちなみに韓国語は話せない。というか日本語以外分からない)
ゲームは家でできたのに。
なぜ私は国境を越えているのか。
ミーグリのために、同じCDを何枚も買う理由

推し活未経験の人に、
一番説明が難しいのがこれです。
同じCDを何枚も買う。
自分でも意味は分かっていません。
サブスクで音楽を聴けるこの時代に、わたしはわざわざCDを聞きません。
というか再生する機械もないのです。
聞かないCDをなぜ何十枚も買うのか。
それはミーグリに参加するため。
(ミーグリとは握手会とかツーショットが撮れるイベントのこと)
仕方ない。
これは必要経費。
あれ…世界的スターのジョ〇ーデップのツーショットの値段よりお金かかってるんじゃない?
…いやいや、考えてはならない。
家には、
再生されないCDが静かに積み上がっていきます。
音楽は、
もう心に刻まれているので大丈夫です。
グッズという名の出費で、昨年だけで3桁消えました
推し活には、魔法の言葉があります。
「今しか買えない」
この言葉に、私は勝てません。
基本理念は「推せるときに推せ」です。
・アクスタ
・トレカ
・うちわ
・現地限定
・ランダム
トレカは、特に危険です。
ただの紙なのに、集めなくてはならないという義務感を感じとにかく集めます。
こうして私は、
昨年だけで3桁を推しに捧げました。
もはや正確な金額は把握していません。
把握しないほうが、幸せだからです。
結論:私はジャンルを変えて沼に落ちただけでした
ゲームをやめて、健康になりました。
睡眠も取れています。
その代わり、
お金と行動範囲が壊れました。
引きこもりだった主婦は、
全国を飛び回り、
海を越え、
同じCDを何枚も買う人間になりました。
でも後悔は——
……あります。少し。
でも、それ以上に楽しい。
私はたぶん、
何かに全力でハマる才能があるだけ。
次の沼が何かは分かりませんが、
とりあえず今は、朝5時まで起きていないので合格です。

